DIY基礎講座・塗料の分類と特徴

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塗料の分類と特徴

塗る素材や目的により、塗料には様々な種類があります。

うすめ液による分類

水性系塗料
水性系塗料は水でうすめられ、使用後乾く前ならハケや容器を水洗いできる大変扱いやすい塗料です。しかもシンナー臭もなく、揮発性有機化合物を使っていないので引火性もなく、火気にも安全です。もちろん一度乾いてしまえば水で溶ける事はありません。
油性系塗料
油性系塗料は、ペイントうすめ液でうすめて使うタイプの塗料です。ハケ洗いや用具の手入れもペイントうすめ液で行います。塗り重ねをする時に、乾燥時間を充分にとることが大切です。酸化重合する為、強じんな塗膜を形成します。
ラッカー系塗料
主にスプレー式塗料として使われ、強く硬い塗膜を形成し乾燥が速いのが特長です。また、ハケ塗りタイプはラッカーうすめ液でうすめて使います。溶解力が強いうすめ液を使用しており、塗り替えの際は、現状の塗膜を傷めないか注意が必要です。

他にはこのような分類の仕方があります

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樹脂の種類による分類 用途による分類
アルキド樹脂塗料(フタル酸樹脂塗料) 床用塗料
ウレタン樹脂塗料 トタン用塗料
ニトロセルロース塗料(ラッカー) 池用塗料
アクリル樹脂塗料 船底塗料
酢酸ビニル樹脂エマルション塗料  
アクリル樹脂製エマルション塗料  

水性つやありペイントと油性つやありペイントの違いと特徴

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  水性つやありペイント 油性つやありペイント
樹脂の種類 アクリル樹脂エマルション アルキド樹脂  注1
うすめ液 ペイントうすめ液
用具の手入れ 水で洗えるので簡単 ペイントうすめ液で洗う必要あり
におい においが少ない うすめ液のにおいが強い
表面乾燥 速い/1~2時間 遅い/2~12時間
安全性 引火性、溶剤中毒の心配なし ・引火性あり、火気に注意が必要
・有機溶剤中毒に注意が必要であり、充分な換気を要する
塗りやすさ ハケさばきが軽く、塗りやすいが乾燥が速く、ハケ目が残りやすい 少しハケが重い。乾燥がゆっくりなのでハケ目が残りにくい
ハケ目について なじむ前に乾燥し、ハケ目が残りやすい

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なじみやすく、ハケ目が残りにくい

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塗り重ねまでの時間 速い 遅い(リフティングタイムに注意)  注2
木部への浸透性 油性と比べ、やや劣る 良い
つや 耐候性が良いのでつやが長持ちする 初期のつやは水性より高い
乾燥後の耐水性 強い 強い
防さび性 さびがひどくなければ油性と大差ない 強い
*さびがひどい場合は、油性の方が耐久性が良い
耐アルカリ性  注3 強い 非常に弱い
低温での造膜性 5℃以下では膜になりにくいので、塗装できない 乾きは遅いが膜は造る。5℃以下では塗装しない方がよい
粘着性 完全に乾いた後、粘着感が残ることがある 完全に乾けば粘着感がない
注1)ここではアルキド樹脂を使用した油性塗料に於いて比較しております。油性塗料にはアルキド樹脂の他に、アクリル樹脂やウレタン樹脂などもあり、乾燥性や色つやの耐久性などに違いがあります。
注2)重ね塗りができる時間は、手で触れる乾燥時間より遅いことが多いので注意が必要です。乾燥が不充分で塗り重ねると、下の塗膜がふやけて「シワシワ」に浮くことがあります。
注3)アルカリ分を含む素材に対する付着性能。アルカリ分を含む素材で代表的なものには、コンクリートやブロックがあります。

エアゾール(スプレー)塗料の特徴

つまりを防ぐために

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イメージ図

使用前に容器をよく振りましょう

エアゾール製品は、長い間使用しないと、顔料(色の粉)が底に沈澱しています。そのまま使用すると沈澱物を吸い上げて詰まることがあります。必ず、ボタンを押す前に充分に振ってください。撹拌玉の音が30回以上するまで、が目安です。
振ると撹拌玉がカラカラ鳴ります

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使用後の措置

ノズルとディップチューブ内に残った塗料をきれいにするために容器を逆さにして2秒程度ボタンを押してください。ノズルはきれいに拭き、キャップをして立てた状態で保存してください。逆さ吹きをしないと固まった塗料がバルブに詰まりやすくなります。

きれいに塗るコツ

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イメージ図

一定の距離と速度を保つ、うすく塗り重ねるがポイント

ノズルと塗る物の距離は20〜30cmくらいがベスト。近すぎると厚塗りとなりタレたり、泡が出てしまいます。この距離を保ったまま一定の速さで左右(または上下)に動かして塗っていきましょう。塗装する場合は、容器を立てるかななめ上から塗ります。容器を水平または下向きにして塗ると、スプレーガスだけが出る場合があります。スプレー塗料は、2回塗りが標準です。一度に厚く塗るのではなく、[うすく塗り、乾いてから塗り重ねる]がうまく塗るコツです。

一般的な水性スプレーとラッカースプレーの違い

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  長所 短所
水性スプレー ・用途が広い
・においが少ない
・タレにくい
・霧が細かい
・乾燥が少し遅い
ラッカースプレー ・乾燥が速い
・つやがよい
・用途が限られる
・タレやすい
・においが強い

*ラッカースプレーは、強い溶剤を使用しているため、塗装面に塗りますと下の塗膜を溶かしたり、ふやかして浮かせる危険があります。塗装面に塗装する場合は、水性スプレーをお選びください。