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家庭塗料集会の特約店のみなさん(昭和 35 年 3 月、東京工場容器倉庫前で )
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百貨店でカベコートの販促宣伝(昭和 30 年 )
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昭和 28 年(1953 年)から、新しい販売チャネルの開拓として、家庭塗料における特約店の設立が始まりました。
家庭塗料の特約店は、全国を14 のブロックに分け、特に関東、東北、中部地域を中心に展開されました。
この特約店には『アトム家庭塗料〇〇営業所』の看板が提供され、ガソリンスタンドのフランチャイズ方式を参考に、アトム塗料の出先と直接取引しているような形態を採用しました。
この新しい発想により、当時の塗料業界では前例のない流通組織が話題となりました。
当社の積極的なサポートを受け、家庭塗料の特約店は順調に拡大し、昭和 32 年(1957 年)には特約店の組織化が進み、販売体制が整備されました。
この年、日本初となる家庭塗料の本格的な取り扱いがスタートしました。
初期のメンバーは全 11 社にのぼり、そのうち以下の 8 社が定期的に会議に参加していました。
- ・オオイ(城東)
- ・森商事(城南)
- ・小の鉄(城西)
- ・大山商会(城北)
- ・コシミ商会(甲信)
- ・千葉タール組合(千葉) ※後のアトム商事
- ・伊佐杯(埼玉)
- ・米山産業(羽越)
一方で、以下の 3 社は遠方に位置していたため、会議への参加はありませんでした。
- ・高野塗料(群馬) ※後のアトム塗料サービス
- ・萬歳塗料(青森) ※後のアトム塗料販売
- ・杉村塗料(栃木)
これらの特約店は、それぞれの地域で家庭塗料の普及に尽力し、当社のブランド力強化に大きく貢献しました。 この時期、現在のホームセンター業態はまだ存在せず、家庭塗料の小売店は主に金物店や薬局が中心でした。 また、小容量の塗料は主に職人が補修作業で使用するか、出張先での補充用として購入される程度の需要しかありませんでした。 そこで、小容量塗料の開発においては家庭向けをターゲットにし、より広く一般消費者に受け入れられるデザインが採用されました。 この背景のもとで開発された水性壁塗料「カベコート」に続き、昭和 30 年(1955 年)7 月には、業界初の速乾性を誇る合成樹脂塗料「ライフ」が発売されました。 なお、「ライフ」という名前は社内で行われた懸賞募集によって決定されたものです。 カベコートに続いて登場した「ライフ」の人気により、従来の生産設備では需要に対応し きれなくなり、その結果、本格的な設備拡張を行うまでに至りました。 当社体制においても、昭和 33 年(1958 年)に営業部を第一課(業務塗料、道路塗料)と第二課(家庭塗料)に分け、家庭塗料のさらなる拡販に努めることとなりました。
主力商品
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ライフ 1955 年(昭和 30 年発売)
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