【アトム会のあゆみ 第1回】創業のきっかけ

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創業の事務所を置いたホワイトビル
(昭和12年)

工場内で西川桂之助社長
(昭和26年)

 

当社の創業社長である西川桂之助は、明治44年(1911年)8月11日に埼玉県川越市で生まれ、塗料店での修業を経て昭和12年(1937年)に「西川商会」を設立しました。
しかし、戦時中の厳しい状況から昭和18年(1943年)に廃業を余儀なくされました。
戦後、甘酒屋で生計を立てながら、昭和21年(1946年)に事業を再開し、家庭塗料の市場に進出しました。


西川は、戦後の焼け野原からヒントを得て、自転車パンク修理用の小型缶を使用したエナメルの販売を開始しました。
この小缶の容量は1/12リットル(84CC)で、その後の家庭用塗料における最小サイズとして定着していきます。
また、進駐軍のビール缶を再利用して「アトム印」のマークを付けた製品も販売し、このマークが後に社名の由来となります。
さらに、現在も市場に流通している家庭塗料独特の 0.7リットル缶は、学校給食用ミルク缶を再加工したことがその起源です。


昭和25年(1950年)、社名を「アトム化学塗料株式会社」に変更し、原子力の力強さを象徴する「アトム」を社名として採用しました。
その後、手塚治虫の漫画「鉄腕アトム」が人気を博し、さらに社名は広く知られるようになりました。


昭和26年(1951年)には西川がアメリカを視察し、家庭塗料の普及状況に感銘を受け、帰国後はこの分野に注力していきました。
昭和28年(1953年)には「カベコート」を発売し、初めて小詰め販売を開始しました。
この新しい水性壁塗料は、従来のカゼイン系水性塗料に代わり、需要が急増しました。
さらに、初めてラジオでの広告を行い、知名度を一気に高めることに成功しました。
この取り組みは、家庭塗料の普及を促進し、業界全体の発展に寄与しました。
こうして、当社は家庭塗料市場において確固たる地位を確立していきました。

主力商品

カベコート
1953年(昭和28年発売)

   
 
発売時のカベコート・ラベル